今でもフィロキセラ禍を免れた樹齢100年を超える接ぎ木なしの葡萄が残る、僅か0.2haの「クランクライ」から生まれる こだわりのシュペートレーゼ! ヴァイングート・カール・エルベスは、1967年にカールによって設立された小規模なヴァイングートです。エルベス家は代々ユルツィヒ村に住む家系で、現在、カールの息子で2代目のシュテファンによって運営されています。弊社が初めてカールエルベスを訪問したのは1985年です。当時カールとアリス夫妻でワイン造りを行っており、息子のシュテファンが加わったばかりの頃でした。そして、品質の高さと魅力的な価格に驚き、1984VTから取り扱いをスタートしました。当時から彼らのワインは日本市場でも受け入れられ、38年経った現在でも弊社のドイツワインを語る上で欠かせない存在であり続けています。 カールが引退して20年が経ちますが、ワイナリーを引き継いだシュテファンは、偉大なる父の造り上げたワインの品質をさらに向上させ続けており、その見事なワインの出来栄えは、まさに「リースリングの芸術品」だと確信させられるほどです。近年、ワインガイドでの評価も軒並み高く、「ヴィヌム 2022」で3.5星、「アイヒェルマン2021」で4星、「ゴエミヨ 2020」で3房。また、ヒュー・ジョンソン「ポケット ワイン ブック 2019」ではユルツィヒの優良生産者として紹介されています。 「ユルツィガー・イン・デア・クランクライ リースリング・シュペトレーゼ」が生み出される、クランクライの畑は、ドイツ全体でも珍しくフィロキセラ禍を生き延びた樹齢100年以上の自根のリースリングが植えられている区画です。また形状も独特で、放射状に扇型をした窪地にあり、ヴュルツガルテンの全ての畑の中でも異なる微小な気候条件から、常に際立った品質が生まれます。 通常、葡萄の収穫が遅くなるほど酸が落ちてしまいますが、クランクライでは糖度も酸度も高い素晴らしい葡萄が出来るため、エルベス家ではこの区画の収穫は最後に行います。シュテファンいわく、「甘口には最高の場所」だそうです。2014年、この畑での区画名表示がようやく認められたことにより、”クランクライ”の文字が復活することになりました。エルベス家では現在、このクランクライからのリースリングをシュペートレーゼとアウスレーゼとしてリリースしています。 Weingut Karl Erbes Urziger In der Kranklei Riesling Spatlese カール・エルベス ユルツィガー・イン・デア・クランクライ リースリング・シュペトレーゼ 生産地:ドイツ モーゼル 原産地呼称:gU. MOSEL ぶどう品種:リースリング 100% アルコール度数:7.5% 味わい:白ワイン 甘口 ワインアドヴォケイト:94+ ポイント RP 94+ Reviewed by: Stephan Reinhardt Release Price:$27.99 Drink Date: 2030 - 2050 The 2018 Urziger In der Kranklei Riesling Spatlese is clear and elegant on the dense and aromatic yet refined nose. Salty-piquant and pure on the palate, this is another very delicate yet intense and balanced Spatlese from a great terroir. The acidity is more classy here, and the wine reveals a restrained grip that asks for more bottle age. The sulfur also still needs to be better integrated over the next few years. Very promising yet still slightly harsh on the finish. Tasted at the domain in September 2020. Published: Oct 31, 2020 ■2015ヴィンテージの感想です■ 6℃前後で抜栓。少し緑がかった明るく薄いレモンイエロー、百合、ニセアカシア、ジャスミン、蘭、オレンジの花、レモンピール、白桃、梨、スターフルーツ、パイナップル、ライチ、金柑の砂糖煮、生クリーム、ナッツ、蜂蜜、オレガノ、タイム、リンデン、カモミール、メリッサ、セーラ、正山小種、機械油、白墨、煙硝、石英系のミネラル 抜栓してグラスに注ぐと、細かい気泡が付いている。微発泡だ。色は無色に近い程薄く、緑がかった感じがする。若くミネラリーなリースリングの特徴が垣間見える。口に含む。若さと溌剌さ、様々な花とフレッシュなフルーツが溢れ出てくる。フレッシュ&フルーティーの典型だ。凄く切れが良く、微発泡と相まって迸るような力強さと上品な甘さに一瞬でグラスを飲み干してしまった。 酸がしっかりしている為、甘さを強く感じないが残糖は89.4g/L。予想されるエクスレ度は100弱。モーゼルのリースリングならアウスレーゼのレベルを超えても可笑しくないレベルだ。 カール・エルベス自慢の単一畑故か、丁寧に、且つ大切に手入れされた畑から収穫された葡萄だとイメージ出来るワインだ。 やはり一つ上のクラスと納得させられるワインだが、飲み始めると止まらないのが問題だ。2017.09.02 ”kranklei(クランクライ)“のラベル表示について 2014年から“クランクライ”kranklei“とラベルに表示できるようになった。(以前は目立たないように小さく表示していた)、以下シュテファンからのメールより ドイツでは1971年に新しいワイン法が確立しました。その時期からユルツィッヒでは畑名をヴュルツガルテンとしか表示できなくなりました。しかし1971年以前クランクライの畑は、ユルツィガー・ヴュルツガルテンの単一畑の中で独立した区画として存在していました。小さくても最高峰のワインを生み出すために、クランクライの名を表示して販売することが許されていましたが、1971年のドイツワイン法の改定の対象となり、ヴュルツガルテンの単一畑として表示も一つにまとめられてしまいました。 2013年では、私たちのワインのラベル表記に“Kranklay”と入れることが認められるようになりましたが、公な畑名表記ではありませんでした。しかし、今日このような特殊性が生まれる最高峰の畑は特別に扱われなければならないことが公にも再び認容されたのです。もちろん、ドイツ特有の多くの事務的な手続きが伴うものの、2014年以降からこのような特別な区画の畑名は公に表示可能となり、私たちは申請をして、2014年ヴィンテージから公に、“Urziger in der Kranklei (クランクライで造られたユルツィガー)”という表記で、再び畑名を公に表示することができるようになりました。 「Lay,Ley,Lei」などの表記は、本来岩盤を現すドイツ語で、地域によっては、粘板岩岩盤の事を示す古い言葉でした。しかし、時代の流れから、現在の登記法での畑名の表示スペルが「Lei=ライ」と統一されたため、数百年の古い歴史を持ったこの粘版岩の岩盤に広がる区画「Kranklay」は、「Kranklei」となって表示することとなり、その畑だけの葡萄で再びワインを造ることができるようになったのです。私たちワイングートではクランクライを0.2ヘクタール持っていて、そこは日時計の岩盤のすぐ隣にそびえ、私は常にベスト(No.1)の区画だと思っています。 動画は、断崖絶壁の急斜面に広がる畑で知られる、ユルツィガー ヴュルツガルテンの畑をドローンで撮影した動画です。その様子がわかる、壮大な映像です。中に、クランクライの区画も出てきます。 傾斜角40度前後の急斜面。見事に手入れされた畑。尾根と尾根の間でU字型になった立地。畑の斜面、下を望むと道路・川・船が見えます。山の南、川の北、U字型の窪地とモーゼルでの銘畑の条件が揃っています。後は畑の丁寧な管理と醸造。素晴らしいワインが出来ることを確信させてくれる素晴らしい映像です。ドローンならではの低空で嘗めるような映像は、畑作業の過酷さと景色の素晴らしさを併せ持つことは知っていても実感出来ていませんでした。現地へ行くより、リアルに体感させてくれることでしょう。この畑が生んだワインです。是非ご覧下さい。Weingut Karl Erbes / カール・エルベス 世界でも最も困難な断崖絶壁の畑ユルツィガー・ヴュルツガルテンそこから造りだされる、芸術的リースリング! 1967年、カール・エルベス(1938年生)によって設立されたワイングートです。カール・エルベスは、30年余り有名なクリストフェル・ベレス家のケラーマイスターをしていました。現在は、15歳からワイン造りを手伝い、ケラーマイスターの資格を持つ息子シュテファン(1970年生)が主となって働いています。 カール・エルベスの一番の魅力といえば、接木をしていない100%リースリング栽培している葡萄樹のほとんどが古木(樹齢70-80年)で、ほかのドイツのトップワイン生産者と同レベルの高品質ワインでありながら非常にリーズナブルな価格であることです。 アウスレーゼなどの高級ワインはとても人気で地元ドイツ、アメリカ、デンマークなどのレストランでも採用、世界No.1レストラン連続選出されたデンマークの「ノマ」で、オンリストされております。 所有する葡萄畑はユルツィガー・ヴュルツガルテンとエルデナー・トレプヒェン(0.3ha)で、この10年程で段々と買い足し、全部で約4haとなりました。そのすべてが非常に厳しい農作業を強いられる急斜面で、耕作や収穫など殆どの作業が手で行なわれています。 土壌は80%がスレート(灰色と青)、20%が赤い岩です。葡萄は、接木をしていない100%リースリングで、70~80年樹齢を最高に多くが古木となっています。肥料は土壌の検査に基づき、毎年違った成分を補充しています。使用するのは、石灰、葡萄の搾りカス、木の皮、家畜の糞など、有機肥料です。 醸造はあくまでも伝統的で、全て樽で行っており、その中にバナナ状の温度計を入れ、コンピューターで温度管理をしています。シュテファンは、注意深い葡萄の選別により★から★★★ ゴールド・カプセルまでの異なったレベルのアウスレーゼを造ることで、中部モーゼルのトップ生産者としての評価を得ることを目指しています。 ■評価■ 評価 「ヴィヌム2019」で3ッ星、「ゴーミヨドイツワインガイド2019」で3房、「アイヒェルマン2019」で3.5星。ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2019」で、ユルツィヒの優良生産者。「モーゼル ファイン ワインズ2013.10」の'12ヴィンテージレポートで、ほとんど全てのワインが90点以上の高評価。2012年のラインラントファルツ州品評会で「特別栄誉賞」。ベルンカステル-ヴィットリヒ地区のコブレンツ農業会議所による「栄誉賞」受賞。2年に1度開催される「プロリースリング」で、2011、2013年と2年連続して「醸造者賞」受賞。